展覧会情報
EXHIBITION INFORMATION次回の展覧会Next Exhibition
日本の色 染司よしおか 吉岡更紗の仕事
2026年
2月7日(土) - 3月29日(日)
会期中無休
2026年
2月7日(土) - 3月29日(日)
会期中無休
「染司よしおか」は江戸時代から200年以上続く京都の染色工房です。日本に古くから伝わる植物染めの技法を用い、草木や花から美しい色を引き出し、麻、絹、木綿、和紙といった自然素材を染めることを生業としてきました。その四季折々の植物によって生み出される色彩には、自然への深い敬意と鋭い感性が息づいているかのようです。「染司よしおか」は古社寺との関わりも深く、伝統的な染色技法によって東大寺や薬師寺に収められる文化財の復元を行うほか、東大寺修二会に用いられる造花の椿を作るための和紙の染色を担うなど、伝統行事を支えてきました。
日本の染色の歴史は古く、植物を用いた染色は縄文時代まで遡ります。奈良時代には大陸から本格的な技術が伝わり、より洗練された染色文化が育まれました。しかし、明治時代になると西洋から伝わった化学染料が急速に普及し、植物染めは衰退していきます。時代の変遷のなかで伝統的な技術が失われつつあることを危惧した五代目・吉岡幸雄は、植物染めを復活させ、「日本の伝統色」を現代に蘇らせました。
本展では、薬師寺の伎楽装束など古社寺の伝統行事にかかわる復元作品や『源氏物語』の衣装の再現作品などを通して、「染司よしおか」の仕事を辿ります。そして、その歩みを引継ぎ、植物染めによる色彩の美しさを探求しながら染色の新たな可能性を見つめる六代目・吉岡更紗の取組みをご紹介いたします。

①
『源氏物語』「若菜上」紅梅の袿と桜の細長再現 紫の上の衣裳再現、2008年

②
『源氏物語』「若菜下」女楽 紫の上の衣裳再現、2008年

③
左:吉岡幸雄、大仏開眼の筆および縷復元に使用した縷(部分)、2002年
右:東大寺修二会 椿の造花、2022年ほか

④
左:石清水八幡宮 供花神饌 桜
右:石清水八幡宮 供花神饌 水仙
吉岡更紗 Yoshioka Sarasa プロフィール
1977年 京都市生まれ
2000年 アパレルデザイン会社に入社
2006年 愛媛県西予市野村シルク博物館染織講座を受講
2008年 生家「染織よしおか」にて修行をはじめる
2013年 薬師寺伎楽装束の制作
2014年 この年より東大寺修二会椿の造花の和紙染めを担当
2019年 「染司よしおか」六代目当主を継ぐ

| 主催 | 公益財団法人岡田文化財団パラミタミュージアム |
|---|---|
| 後援 | 中日新聞社、朝日新聞社、読売新聞社、三重テレビ放送 |
| 特別協力 | 染司よしおか |
| 企画協力 | 青幻舎プロモーション |