パラミタガーデンの枯れ山水に配されたボート型の彫刻《石の中》は、「自然に近く、自然のままに」を生涯貫いた山口牧生が自らの柩をイメージして制作したものです。黒御影石の表面にベンガラを施した石彫は、静かな力を放ちながら、山野草が彩る里山と絶妙な調和を見せています。 山口牧生の石彫は、1983年度中原悌二郎賞受賞作を含む計7組が建物周辺に設置されています。
具体的な物の形を作り出すことの少ない山口牧生の作品の中では、異色ともいえる作品ですが、独特の手彫り感を残した御影石の処理とベンガラによる着彩は、山口の作品に特有の静謐感を漂わせています。舟方にくり貫かれた内側は山口自身の身長に合わせて彫られており、作者はこれに乗って彼岸に渡るのだと話したと言われます。
「小嶋三郎一の部屋」に《くむかたち》が、生前の山口自身の希望により設置されています。